日帰り前立腺生検について

日帰り前立腺生検の
おすすめ

前立腺がんを確定診断するには、細胞を採取して生検(生体検査)を行うのが一般的です。
その方法は通常、直腸から行う経直腸的前立腺生検ですが、当クリニックでは日帰りで行える経会陰式前立腺生検も実施しています。

日帰り前立腺生検のメリット

痛みが
少ない

入院の
必要がない

費用負担が
少ない

合併症の
リスクも少ない

内・外痔核のある方でも安全に行えます

経会陰式針生検の様子

※イラストは経会陰式針生検の様子

日帰り前立腺生検の流れ

  1. 仙骨麻酔もしくは局所麻酔をします。
  2. 肛門から超音波検査の機械を入れ、前立腺の様子を観察します。
  3. 陰のうと肛門の間の会陰部から針を刺し、前立腺の組織を採取します(5~10分)
  4. 検査が終わるとリカバリー室でお休み頂き、出血や発熱などの状況を確認して問題がなければ帰宅が可能です。
  5. 結果は約1週間でお知らせすることができます。

日帰り前立腺生検の適応

  1. 仕事の都合や色々な事情で入院での検査が難しい方
  2. 腫瘍マーカー(PSA)の上昇が見られる方
  3. 直腸診の所見で、前立腺がんの疑いがある方

下記に当てはまる方

  1. 肛門疾患や術後、不安感が強く、経直腸式前立腺生検がふさわしくない方
  2. 直腸式前立腺生検でがんが検出されなかった方
  3. 他院で前立腺生検を複数回実施したが、がんが検出されなかった方

日帰り前立腺生検の合併症

血尿
前立腺に針を刺すため、検査終了後に血尿が現れることがあります。
前立腺が膀胱の出口にあるからです。
2〜3日後には消失しますが、稀に長く続く場合があります。その場合は、止血処理をすることもあります。
血便
状況によっては直腸からも針を刺すので、直腸の粘膜から出血が見られます。
そのため血便が現れることもあります。
通常は検査後に止血したことを確認しますが、その後に出血した場合は止血処理が必要になります。
骨盤内出血
前立腺の外側から組織を採取するため、出血した場合は血腫をつくることがあります。
この際、出血の量が多くなると、点滴や輸血をすることになります。
少量であれば問題はありません。
感染
衛生状態の管理は徹底していても、まったく感染しないというわけではありません。
発熱や穿刺部の腫れなどが起きる可能性もあります。
その際は、抗生剤の投与などを行います。
尿道出血・血精液症
尿の出始めや精液に血が混じることがあります。
通常は健康上に問題はないとされますが、状態がひどい場合は止血処理をすることもあります。
麻酔の合併症
麻酔の安全性は著しく進歩していますが、それでも稀に頭痛や嘔吐などの副作用や合併症が報告されています。
また神経を損傷する危険性もあります。
その都度、状態に合わせた処置をすることになります。

日帰り前立腺生検前の注意点

前立腺に針を刺すため出血する可能性があります。
そのため血液をサラサラにする抗凝固剤や抗血小板薬を服用されている方は、服薬を中止してから生検を実施することになります。
通常は7日間以上です。
狭心症や脳梗塞などの既往歴がある方は、受診時に飲んでいるお薬を持参してください。

日帰り前立腺生検後の注意点

アルコール
血管を拡張する作用があり、前立腺の炎症を助長する可能性があります。
アルコールは一週間程度控えるようにお願いいたします。
自動車やバイク
炎症を助長させるため。
自転車やバイクに乗るのは一週間程度控えるようにお願いいたします。
長時間の座り姿勢
2時間以上、座った姿勢を続けるのは好ましくありません。
内服薬
手術後の4〜7日間は、抗生物質を服用していただきます。
細菌への感染を予防するためです。

結果に関する注意点

がんが検出された場合
病気がどの程度進んでいるのかを調べるため、検査を実施します。
その上で、最適な治療法を相談させていただきます。
がんが検出されなかった場合
がんの組織に針が当たらなかったり、まだ小さかったため、発見できなかったことも考えられます。
定期的に腫瘍マーカー(PSA)の数値を確認するなど、引き続き注視することをおすすめしています。

トップに戻る